進学・受験のタイミングと離婚の話|マリッシュ再開準備室

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離婚を考えるとき、子どもの「進学・受験」のタイミングは、見落とせない要素のひとつです。

この記事では、中学・高校・大学それぞれの受験について、費用面と子どもの心の両面から、「この時期の離婚」をどう考えるかを整理します。

勉強する子どものイメージ
※画像はイメージです

中学・高校・大学、それぞれの受験

ひとくちに「受験」といっても、その重みは年齢によって変わります。

まず中学受験。いわゆる「お受験」で、私立を目指すご家庭ではこの段階から大きな選択が始まります。塾代だけでも相当な額がかかり、合格すればその先の学費も私立基準になります。

次に高校受験。多くの子が経験する、最初の大きな進路選択です。そして大学受験。学費はもちろん、一人暮らしをするか、地元に残るか、海外へ出るかなど、お金と人生設計が一気に絡んできます。

どの段階も、「子どもの将来」と「家庭のお金」が真正面からぶつかる時期。そんなタイミングで親が離婚するとなると、子どもの心には、大人が思う以上の波風が立ちます。

優しい子ほど、言わない

受験期の子どもは、ただでさえ繊細です。そこに「親が離婚するかもしれない」という空気が加わると、子どもの中で、こんな思考が静かに働き始めます。

  • 「お金がかかるなら、受からないほうがいいのかも……」
  • 本当は行きたい志望校があるのに、「親が離婚するなら、安い公立にしておこう」
  • 海外進学は諦める。地元に残る。志望のグレードを下げる。
  • いっそ働く。バイトができる学校を選ぶ。

そして、ここがいちばん大切なところ。——この気遣いを、子どもは口に出しません。

親に対する罪悪感と、親を支えたいという健気な気持ち。その両方が大きいほど、子どもは本音を飲み込みます。優しい子ほど、言わないのです。「お金、大丈夫?」なんて、親に心配をかけまいと、ぜんぶ自分の中で処理してしまう。だからこそ、親が気づかないうちに、子どもの選択肢が静かに狭まっていくことがあります。

それが、良い方向に転ぶこともある

……とはいえ、これは必ずしも「かわいそうな話」で終わるとは限りません。

早くから働きに出たり、アルバイトを経験したりすることで、同年代より一足先に「社会人」として成長する子もいます。お金の大切さ、働くことの意味を、身をもって早く知る。それは、長い人生で見れば、立派な財産になることもあります。

そもそも、学歴だけがすべてではありません。子どもが「どうしてもこの学校に」と望んでいたとしても、いざ入ってみたら「思っていたのと違った」となることも、意外とよくある話。希望が叶うことが、必ずしも幸せとイコールではないのです。

それもまた、人生。——そう割り切ることも、ときには必要です。もちろん、「できなかったこと」への後悔が、まったく残らないとは言いません。でも、回り道に見えた道が、その子にとっての正解になることも、ちゃんとあるのです。

高校の授業料は、国が支援する時代に

お金の不安については、知っておくと心強い制度があります。高校の授業料を国が支援する「高等学校等就学支援金制度」です。近年、この制度は大きく拡充されました。

  • 2025年度から、公立高校は所得制限なしで全世帯に支援(年11万8,800円)。公立高校の授業料は実質無償に。
  • 2026年度からは所得制限が完全に撤廃され、私立高校への支援上限も年45万7,200円(私立の全国平均授業料水準)まで引き上げ。世帯年収にかかわらず、全世帯が対象に。
  • 支援金は学校が代理で受け取り、授業料に直接充てられる仕組み(保護者が直接受け取るものではありません)。

かつては「年収910万円以上は対象外」でしたが、その壁もなくなりました。とくにひとり親家庭にとっては、高校の授業料負担が大きく軽くなる、心強い変化です。

⚠️ 制度は年度ごとに見直されることがあります。最新の支給額・申請方法は、文部科学省や各都道府県の案内で必ずご確認ください。申請しないと支給されない点にもご注意を。

「授業料以外」のお金にも注意

ただし、ここで安心しきってはいけません。注意点が2つあります。

① 地域によって支援が違う

国の制度に加えて、自治体ごとの上乗せ支援があります。たとえば東京都や大阪府などは、独自に所得制限を撤廃したり、私立の平均授業料近くまで上乗せしたりと、手厚い地域もあります。一方で、地域によって支援の中身には差があります。お住まいの自治体の制度を、一度確認しておくのがおすすめです。

② 無償なのは「授業料」だけ

支援の対象は、あくまで授業料です。それ以外には、しっかりお金がかかります。とくに私立は、こんな出費がかさみがちです。

  • 入学金・施設費
  • 修学旅行の積み立て(私立は海外などで高額になりがち)
  • 海外留学プログラムがある学校も
  • 制服・教科書・教材費が、公立より高価なことも

「授業料が無償だから大丈夫」と思っていたら、入学後に“授業料以外”でじわじわ負担が増える——というのは、よくある誤算です。進学先を考えるときは、トータルの費用で見ておきましょう。

できれば避けたい、でも例外もある

経済的な面、子どもの精神的な面、そして将来設計。これらを総合すると、受験・進学のタイミングでの離婚は、できることなら避けたい時期だと言えます。子どもが人生の大事な勝負に集中できる環境を、できるだけ整えてあげたいものです。

——ただし、これには例外があります。

家の中で毎日のように喧嘩が続き、子どもが受験勉強に集中できない。あるいは、「誰に育ててもらってると思ってるんだ」といったモラハラが日常的にあり、子どもが安心して机に向かえない。——そんな環境なら、話は別です。

その状態を続けるほうが、よほど子どもの将来に悪影響を及ぼします。離れることで、かえって子どもが落ち着いて勉強できるようになるなら、その時期であっても、決断が必要なこともあります。大切なのは「受験だから」と機械的に判断するのではなく、“どちらが子どもにとって良い環境か”で考えることです。

どんな道を選ぶとしても、選ぶのは、あなた自身の意思です。

タイミングも、環境も、ひっくるめて考える

子どもの未来とあなたの人生、どちらも大切にできる道を、焦らず探していきましょう。

※本記事の制度内容は執筆時点のものです。高校就学支援金など各種制度は年度ごとに変更される場合があり、地域によっても支援内容が異なります。最新情報は文部科学省・各自治体の公式情報をご確認ください。