再婚するなら子供の戸籍に関する手続きを知っておこう!養子縁組のメリット・デメリットも解説

再婚するなら子供の戸籍に関する手続きを知っておこう!養子縁組のメリット・デメリットも解説

「再婚する場合、子供の戸籍はどうなる?」
「必要な手続きが知りたい」
「養子縁組するべき?」

そんな悩みにお答えしていきます。

子連れ再婚では、子供の戸籍をどうするのかを考えなければなりません。現在の子供の年齢や、将来的な相続問題などを考慮して最適な選択をするべきです。

しかし、子供の戸籍についてどのような選択肢があるのか・どんな違いがあるのか、しっかり把握した上で選びたいですよね。

そこでこちらの記事では、以下の内容について解説していきます。

  • 再婚時の子供の戸籍に関する手続き
  • 再婚で養子縁組するメリット・デメリット
  • 子供の戸籍に関して覚えておきたいこと
  • 戸籍以外に必要になる手続き

子連れ再婚を考えている方は、ぜひこの記事を参考にして子供の戸籍について検討してみてください。

 

未成年の子供がいる場合の再婚は戸籍をどうするか考える必要がある

未成年の子供がいる場合、再婚する際には戸籍をどうするかいくつかのパターンから選択できます。

シングルマザーの場合の例で見てみましょう。

  • 子供を養子にする → 養子縁組
  • 子供を養子にしない → 妻が夫の戸籍に入る or 夫が妻の戸籍に入る

大きく分けると、子供を再婚相手の養子にするかしないか、という選択肢があります。養子にしない場合は、妻が夫の戸籍に入るか夫が妻の戸籍に入ることになります。

もし妻が夫の戸籍に入るなら、子供の戸籍や名字をどうするか考えなければなりません。

子供が成人している場合は、母親(または父親)が除籍した戸籍に1人で残るという選択が可能です。子供の戸籍はそのまま残して名前も変えないのであれば、婚姻届の提出のみです。

再婚時の子供の戸籍に関する手続き

再婚する際、子供の戸籍に関する手続きを詳しく見ていきましょう。

  1. 子供を再婚相手の戸籍に入れる場合
  2. 子供を養子にしない場合

それぞれのパターンを解説します。

1.子供を再婚相手の戸籍に入れる場合

子供を再婚相手の戸籍に入れる場合は、養子縁組を行います。養子縁組には「普通養子縁組」「特別養子縁組」の2つの方法があります。

普通養子縁組(一般養子縁組)

普通養子組を行うと、再婚相手と子供は「養親」「養子」として戸籍に載ります。

普通養子縁組の手続きは「普通養子縁組届」を役所に提出するだけです。

実親との親子関係は維持されるので、子供は2重の親子関係を持つことになります。もし、子供を引き取った側の親やその再婚相手が子供を扶養できなくなった場合は、実親への引き渡しが可能です。

特別養子縁組

特別養子縁組は、原則として15歳未満の子供に限定されます。手続きを行うと実親との法的な親子関係は消滅し、養親・養子の親子関係が重視されます。

特別養子縁組が認められるには、さまざまな要件を満たすことが必要です。例えば、

  • 夫婦共同で養親になること
  • 養親のどちらかが25歳以上で、もう一方が20歳以上であること
  • 実の両親が同意していること
  • 養親が養子となる子供を6ヵ月以上監護している

などが要件となっています。特別養子縁組は適切な養育環境に置かれていない子供が、別の家庭で養育を受けられるようにする制度です。

一般的な子連れ再婚で、特別養子縁組を行うことはほとんど無いでしょう。

再婚による養子縁組手続きについては関連記事「再婚による養子縁組を詳しく解説!児童手当や養育費の疑問もスッキリ解消」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

2.子供を養子にしない場合

あなたが子供の実親だとして解説します。子供を養子にしない場合は、実親であるあなたの戸籍をどうするかにより異なります。

あなたが相手の戸籍に入る

あなたが相手の戸籍に入る場合は、役所に婚姻届を提出すれば手続きは完了です。元の戸籍からあなたが抜けて、子供はそのまま残ります。

子供の名字を元のままにしたいなら、他の手続きは必要ありません。もし、子供を相手の戸籍に入れて名字を変えたいなら「入籍届」と「子の氏の変更許可申請」を提出します。

相手があなたの戸籍に入る

相手があなたの戸籍に入る場合、婚姻届のみの手続きで済みます。これは、すでに子供があなたの戸籍に入っている場合です。

子供の名字は変わらないはずなので、特に手続きは必要ありません。

再婚で養子縁組を行うメリット・デメリット

再婚するなら、養子縁組をするか・しないかが大きなポイントです。それぞれのメリットとデメリットを把握した上で、どちらを選択するか考える必要があります。

  1. メリット:親子のつながりが強くなる
  2. デメリット:養育費が減額になる可能性がある

それぞれ詳しく解説していきます。

1.メリット:親子のつながりが強くなる

養子縁組を行うと、再婚相手も親権を持つことになります。親子のつながりがより強く感じられるでしょう。

また、養子縁組により子供には遺産相続権が発生します。普通養子縁組の場合、実親とのつながりも残っているので、子供は養親・実親の遺産を相続できるということです。

2.デメリット:養育費が減額になる可能性がある

養子縁組のデメリットは、養育費が減る可能性があることです。養子縁組をすると、実親と養親の両方が扶養義務者となるためです。

扶養義務は養親が優先されます。そのため、養親に十分な扶養能力があれば、実親は養育費の減額請求が可能です。

また、養子縁組を理由に実親から養育費の打ち切りの申し出があるケースもあります。

再婚による子供の戸籍に関して覚えておきたい3つのこと

子連れ再婚による子供の戸籍に関して、知っておきたいことが3つあります。

  1. 子供が15歳以上なら届出人は本人になる
  2. 特別養子縁組は家庭裁判所の許可が必要
  3. 子供の戸籍には親が再婚した情報が書き加えられる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.子供が15歳以上なら届出人は本人になる

子供が15歳以上の場合、手続きの届出人は子供自身です。

  • 養子縁組届
  • 子の氏の変更許可の申し立て
  • 入籍届

などは、いずれも子供自身が署名や押印をします。

また、15歳未満の場合は、法定代理人が届出人です。一般的には親権者が法定代理人となります。

なお、養子縁組する際に「監護者」がいる場合は、その人の同意も必要です。離婚した相手が監護者になっていれば、元夫(元妻)の同意が要ります。

2.特別養子縁組は家庭裁判所の許可が必要

普通養子縁組は本籍地または所在地の役所に届け出ます。しかし、特別養子縁組を行う場合は家庭裁判所の許可が必要なので、希望すれば誰でもできるものではありません。

申立先は養子の住所にある家庭裁判所です。手続きに必要な書類は、

  • 申立書
  • 申立人・養子となる子・法定代理人の戸籍謄本
  • 収入印紙

などです。申立後は、必要に応じて調査員が調査したり、裁判官が審問したりします。その結果、裁判官が申立を許可するかどうか判断します。

どうしても実親との関係を断絶したいなどの場合は、特別養子縁組を行うこともあります。

3.子供の戸籍には親が再婚した情報が書き加えられる

離婚や再婚をすると、子供の戸籍にはその情報が記載されます。養子縁組をした場合は「養子」と掲載されます。

例えば、元配偶者に再婚を知られたくないという方もいるでしょう。あなた自身の戸籍を請求することはできませんが、実子の戸籍抄本の取得は可能です。

もし、子供の戸籍が元配偶者に入っているままであれば、あなたの戸籍を確認できない以上再婚を知られることはありません。

元配偶者の暴力やストーカーなどの事情があり戸籍や住民票を見られたくない場合は、申出により閲覧制限の措置が可能です。詳しくは総務省のホームページをご確認ください。

戸籍以外も気にしたい!再婚後に必要となる子供に関する手続き

再婚時の手続きは、子供の手続きに関するもの以外にもいくつかあります。手続きを忘れて後で不便な思いをしないように、忘れずに行っておきましょう。

こちらでは、主に4つの手続きについて解説します。

  1. 児童扶養手当やひとり親家庭医療費助成制度の資格喪失届
  2. 児童手当やこども医療助成の名字変更手続き
  3. 転居届(引っ越す場合)
  4. 保険の手続き

再婚を考える方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.児童扶養手当やひとり親家庭医療費助成制度の資格喪失届

ひとり親に関する助成制度を受けている場合は、再婚すると資格が消滅します。例えば、

  • 児童扶養手当
  • 児童育成手当
  • ひとり親家庭医療費助成制度

などが挙げられます。再婚すれば自動的に資格が喪失するわけではなく、自分で手続きしなければなりません。

手続きを忘れたことによる罰則はありませんが、のちに返還請求が来るので早めに対処しておくのが良いでしょう。

2.児童手当やこども医療助成の名字変更手続き

児童手当やこども医療助成は、再婚後も利用できます。ただし、子供の名字が変わっている場合は変更手続きが必要です。

「子の氏の変更許可の申し立て」や「入籍届」を出したからと言って、役所で自動的に変更してくれるものではありません。

手続きの窓口が異なるので、忘れずに変更しておきましょう。

3.転居届(引っ越す場合)

再婚により引っ越しするなら、転居届が必要です。転居届は旧住所で転出届、新住所で転入届を提出します。

住所が変更になると、児童手当や医療助成も手続きが必要です。転居するとさまざまな手続きが必要になるので、何度も役所に行かなくて済むように事前に把握しておくと良いでしょう。

4.保険の手続き

社会保険などに加入している場合、名字が変わる場合には手続きが必要です。たいていは会社の総務に手続きをしてもらうため、申告だけで済むこともあります。

しかし、入籍後に申告すると手続きが遅れてしまうので、早めに伝えておくのが良いでしょう。

再婚するときは子供の戸籍をどうするか考えよう

子連れで再婚する場合は、子供の戸籍をどうするかを考える必要があります。「相続権があったほうが安心」「子供の名字は変えたくない」など、家庭によりさまざまでしょう。

子供にとって最善の方法を選択することが大切です。なお、子連れ再婚で幸せになるコツは関連記事「子連れ再婚で幸せになる5つのポイント!よくある失敗・結婚後の疑問を徹底的に解消」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

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